[:ja]東京理科大学 松本洋一郎学長は言いました。「日本は科学技術想像立国だ」[:]
東京理科大学 松本洋一郎学長は言いました。「日本は科学技術想像立国だ」
東京理科大学 松本洋一郎学長(1949年4月25日・牡牛座生まれ)は憂いていました。
先日、松本学長の講演会に出席し、有益なお話を伺うことができました。
理科大と言えば、友達のお嬢さん、息子さんなども入学された大学であり、
どんなお話が出るのか楽しみでした。
「科学技術創造立国」という言葉が発せられることが最近極端に少なくなり、「総合科学技術イノベーション」も掛け声だけで、推進する制度も実績も低迷していると、講演会最初から、松本学長は嘆いていらっしゃいました。
学長は牡牛座の生まれですが、月は魚座、火星は牡羊座、木星は水瓶座に位置、
とても感性豊かなところと、野心家で負けず嫌いなところが同居している性格であり、
仕事の室には木星が輝いている生まれなので、
どんな分野を目指したとしても、(大学関連ではなくても)その性格から、
人の上に立たれることになったと思います。
さて、松本学長は1980年代はロールモデルがはっきりしていたと言います。
ここまで目指して行こうという明確な目的があり、日本人は皆、その高水準の目的に向かっていった。しかし、2000年代は目的を見失ったかのように一気に失速していった。
「科学技術創造立国」ではなく「科学技術想像立国」に、まさに日本はなっている。とのことです。
お~、なんか悲しい現実。
次々と世界各国の論文数、研究者数、国家戦略としての公的資金の額など、すべて日本が世界の先進国から劣っている恐ろしいデータ、グラフなど見せてくださいました。
昔、自民党議員で技術立国に対して深い思いこみのある議員さんがいて、その方が随分と働き日本を技術立国にすべき対策をとっていったそうなのですが、
残念ながらその議員さんが亡くなり、その後、意志を継ぐ方がいないために、
日本の政治主導が全くなっていないとも嘆いていらっしゃいました。
日本の惨状を克服するためには、大学を社会人を含めて高度人材が流動循環する場にしなければならない。とおっしゃっていました。
日本は退職金縛りというものがあるので、みなさん動かないそうです。
しかし、もっと動いて社会を循環させないと、発展しないのだそうですよ。
質疑応答で東大教授、私大教授、元文科省の人、企業社長、特許専門家などが次々と発言、
いろいろと盛り上がりました。
聞いているうちに、「人材不足」というキーワードが浮かびます。
最近店舗の人の数も足りず、なかなかオーダーとりにきてくれないこともしばしば。
今はウエイトレスだけではなく、有能な人もかなり不足しているのです。
有能な大学生、有能な博士、有能な教授、有能な官僚、有能な経営者、有能な政治家、すべてが欠けているのです。
有能というのはただ学業ができるということではありません。
性格がよくて、勤勉で、機転がきき、夢があり、発想が素晴らしく、異性にも理解があり、紳士淑女的な付き合いができて、世界の人たちとも気持ちよく交流できるような柔軟性もあり、幅広い心を持つ行動力に富む人物のことです。
米国在住のジャーナリストの後藤英彦さんのエッセイを読んでいたところだったので
人材不足の原因が頭をかすめました。
後藤さんの記事をご紹介します。
「日本とアメリカの入試の違いです。
入試とは人生で一番最初のチェック機関ですね。
ここでふるい落とされてしまうと、日本は最悪な人生になりやすい傾向があります。
日本の大学はマザコンだろうが、根性が腐っていようが、テストの点が良ければ、高得点者からすべて合格にする。
それは免許のいる職業や役所、銀行、事務職などには良いかもしれない。
しかし、異才を放つような人物はそこでは発掘することができない。
アメリカではもっとも評価の高いカリフォルニア大学バークレー校の合格基準を見ると、
ペーパーテストで約40パーセントの上位者を合格させる。
残りの60パーセントは勉強型、知識型以外の人から合格させる。
働いて高校に通った人、障碍者として辛苦を舐めてきた受験生を16パーセントから21パーセント。田舎出身、黒人、音楽、絵画などの才能に溢れている人、スポーツで抜きんでている人を28パーセントから39パーセント合格させるそうです。
またハーバード大学などでは特別枠で有名人の子供、お金持ちの子供なども入学させるそうです。裏口でなく堂々とです。
大統領の息子も寄付金で合格可能なので実に明瞭、日本のように影でこそこそしないのがいいですね。
アメリカは社会の多様化を目指しているから、
多方面で活躍できる人材を育てようとしているからだそうです。」
日本でもAО入試が始まってもう30年くらい?でしょうか?
でも受験生を選ぶ側の目に問題はないのかしら?
皆様、今の20代の日本人のなりたい職業第一位ご存知?
なんと「国家公務員」だそうです。
世界広しと言えども、そんな国は日本だけです。
海外では公務員なんて仕事は魅力なし、面白くない、
もっと自分の力を試したい、何かやってみたいと若者は燃えているのです。
しかし、残念ながら日本人の若者はまるで老人のように安定を求め公務員になりたがっている。
そんな国が創造的な国になるはずがない。
また、技術者、研究者、ベンチャー企業など夢広がる分野にお金を采配する力を握っている政府、官僚の人たちは殆ど東大生ではありませんか?
中学受験に打ち勝ち、全員進学校の出で、高校も同じ、一クラスすべてが同じ省庁に就職するようなこともあるはず。
そのような似た者の集団には新しいものを生み出す力があるとは思えない。
また、優秀な集団は記憶力の良い、実に頭の良い人たちですから実務には長けているものの、
「まだ見ぬ世界を想像したり」「夢」「新しいもの、ないものを創造」なんて、理屈にあわないことを理解し、未来のために勝負していく勇気ある判断ができるのかしら?と思ってしまいます。
中国専門に活躍されていたジャーナリストの方は発言されました。
「中国は変化にものすごく早く対応するんですよ」
「三か月も中国に行っていないと、その間にどんどん変わってしまうから大変なんです」
「年間、60万人もの中国人は海外に出ていき、知的ネットワークを築いていっているんですよ」
あー、あー、あー。
日本にはないわ、そのスピード
その勇気
とにかく日本には「勇気ある人」は少ない
先日、暖炉に火をつけて長時間薪をくべる仕事を始めてやらせてもらいました。
火がついても、大きな薪だけでは火力はすぐに小さくなってしまいます。
しかし、そこに小さな木の枝やまつぼっくりのついたような面白い枝など入れると、
火はとても勢いよく燃え始め、大きな太い薪もよく燃えます。
一つの種類だけではだめなんです。
いろんな種類の枝、薪があると火はよく燃えるのです。
アメリカはそれを知っているから多種多様の人たちを融合し自国のために活用している。
文明の火も、それと同じ。
東大生もプレイボーイも漁村の息子、母子家庭で高卒の子女、そんな人たちが一緒になって勉強し、高い志を持ち、リーダーシップを発揮して政治活動する。そこで初めて素晴らしい燃えるような世界が生まれるのかもしれません。
松本学長、入試制度変えてみてはいかがかしら?
溜息のでる秋の一夜でした。
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