「漂流する資本主義」で未来を考えてみましょう
「漂流する資本主義」で未来を考えてみましょう
太田康夫(1959年の蟹座生まれ)先生のお書きになった「漂流する資本主義」
ちょっと分厚くて資本主義なんて難しいこと大丈夫かしら?と思いましたけれど、
面白くて一気に読める本でした。
さすが蟹座の著者だけあり、蟹座らしく一般大衆の気持ちがわかっていらっしゃいます。蟹座生まれは月が支配している星座ということもあり、大変敏感で繊細で男性であっても女性的な豊な感受性を持ち、いろいろな面から柔軟に考え、答えを導き出していく人が多くみられます。
また太田氏は蟹座で蠍座の木星、第5室にラッキースター木星が輝いているときに誕生しているラッキーマン、その分野のスペシヤリストとみます。
今回の著書は豪快なホームラン一発かもしれません。
先日、太田先生の勉強会に参加させていただき、とても有益なお話を聞くことができましたので、皆様にもご紹介いたします。
太田先生は学者さんではありません。東大を出られて日経新聞の記者からスタートし、スイス駐在員なども経験され、昨年まで日経新聞の編集委員として活躍、金融、経済などについての多くの著書を執筆されています。
その中で「漂流する資本主義」は2024年11月に出版されたご著書です。
1970年代、1980年代、1990年代、2000年代、2010年代、2020年代と、わかりやすく書いてくださっているので本当に読みやすいです。
太田先生は「学者さんは世の中に沢山いらっしゃるけれど、時代に敏感ではない。教科書は書くけれど、なかなか批判的なジャーナリスト精神のある人はいない。なので困りますね。なので自分で書いてみました」
というようなことをおっしゃっていました。まさに日本の教育の欠点、
勉強はまるごと鵜呑みにして記憶する。批判することはしない
確かに日本人はそういった一方通行の教育しかされてこなかったような気がします。
バブルの頃、太田氏がスイスのダボス会議に出席した時のこと。
日本政府の人達がやってきたのはいいけれど、そこで皆様卓を囲んで麻雀していたのに、びっくりしたというお話も飛びだしてきました。
たいていダボス会議に集まった各国の人達は、皆様スキーを楽しみ、ゲレンデで他国の人達と語り合い、友情を深めたりするそうなんですけど・・・・。
この時期から日本人は怠けていたのね。
太田氏は海外に長年いた体験から学んだことがあるそうです。
「ヨーロッパの人達は筋金入りだ」ということです。
一つのことをずっと90年やり続けている人、起業、団体もいて、各分野の専門家も多く、意識が高いそうです。
筋金入りという言葉、最近聞かなくなりましたよね。
そういう人が減ってしまったからでしょうか。
冷戦後、最も成長したのは社会主義の中国で、幸福感が高いのは値資本主義の中でも社会主義に近い福祉資本主義を追求している北欧だそうです。
成長を求めていた日本は主要国の中でも最も低い成長率にとどまっているそうです。
「どういう日本にしたいのか明確に」
これが著者の一番言いたいことかもしれません。
103万の壁、178万の壁といろいろあっても、結局それはカフェメニューの
Aタイプ、サンドイッチとドリンク付きにしますか、こちらBタイプハンバーガーとサラダ付きにしますか?それにオプションつけられます。それプラス200円で好きなデザート付きにしますよ、どれにしますか?など、
そりゃあそれで生活が変わってしまう人にとってみると大問題ではありますが、大枠で考えると、だからどうなの?小さなことだよね?
バブルがはじける前、銀行の頭取の報酬は上限が8,000蔓円だったそうです。
しかし、バブルがはじけたのにも関わらず、
2024年度の報酬開示してくれた1億円以上とっている人のデータでは
MUFG 14人いて、その中でも亀澤宏規社長(1961年11月18日生まれ・蠍座)
3億3900万円
三井住友FG 17人いて その中でも高島誠社長(1958年3月31日生まれ・牡羊座)
2億4800万円
みずほFG 3人いて 木原正祐社長(1965年8月21日生まれ・獅子座)は
1億9100万円
報酬を貰っているそうですが、従業員との格差がすごいことになっています。
1989年のMUFGの時価総額は29兆円もありましたが
2024年のMUFGの時価総額は22.2兆円に下がっています。
7社も合併したのに、時価総額は下がった。
それなのに、トップの収入は俄然増えている。
どの方向へ日本は進むのですか?
それが全くはっきりしていないように思いますね。
八潮市の陥没事故、未だ事故現場は変わらずのようで、専門家がいないのが問題です。
イラクの水パイプ、ロシアのサハリン2などの計画に携わった日本人技術者の人と話す機会があり、今回の陥没事故についての意見を聞いてみたら、
「宇宙船、深海調査艇などを製作する場合、ただ作ればいいというのではなくて、
万が一事故があったらどうするのだ?ということも考えて研究者は技術を高め研究に研究を重ねて作ります。
しかし日本の下水道などは万が一事故があったらということを想定することなく、次々と作っている。
だから事故になったとき手の打ちようがないのです。」
そのような答えが返ってきました。
つまり危機管理能力がない。ただ作った。
スイスで麻雀していた政府の人達も、事故が起ることを想定もしないでどんどん下水道管を作ってしまった政府の方々も、何年もたっていても危機管理能力ないことは確かで、この混乱の時代もそういった人達が中心にいて日本が動いているかもしれないと想像すると本当に怖い時代です。
日本も筋金入りの研究者、技術者、経営者が沢山出てきてくれる国になって欲しいですよね。
それから、へんなことは声を大にして堂々と「へんだ」と言いましょう。
そうしないと、ますます日本はおかしな方向へいってしまいます。