日本のエスカミーリョはどこにいる?
日本のエリカミーリョはどこにいる?
オペラ好きの親友のお陰で、オペラに素人だった私も随分と生意気なオペラファンに成長しています。
皆さまよくご存知の「カルメン」
男が惚れ惚れするような魅力的なジプシー女、タバコ工場で働くカルメンを、ある日のこと衛兵の伍長であるホセが一目惚れしてしまう。
カルメンは自由を愛する女、ダサい田舎者のホセがカルメンをいつまでも自分だけのものにしておくなんてことはできません。
カルメンはすぐに飽きてしまい、ホセから離れたくなる。
カルメンの前に人気者の闘牛士エスカミーリョが登場すると、カルメンは直ちにカレに乗り換えたくなる。
エスカミーリョもカルメンに夢中になる。
そんなカルメンをホセは最後まで自分のものにしておきたいと闘牛場に向かおうとするカルメンを刺殺してしまう。
自由に生きる遊び上手なカルメンと純情な田舎者ホセの物語。
で・・・・カルメンもホセもとても上手に歌いこなす声楽家たちは日本では多いです。
昨年の上野文化会館でのカルメン、今年秩父、原宿と二本続けて観せて頂き、感動しました。
しかし、しかしです。
どの公演でも納得いかないのが闘牛士エスカミーリョです。
セビリヤの城壁近くの酒場でジプシー達が「ジプシーの歌」を歌い踊る。
カルメンもその輪の中心となり、セクシーな歌と踊りを披露する。
多くの人たちで盛り上がるクライマックスに「ジャーーーーーーーーン」と登場するのが
エスカミーリョです。
宝塚で言えば、王子登場の最高のシーン。
それが、それがなのです。
どの公演でもエスカミーリョの声が響かない、小さい、よく聞こえない。
勿論、ジプシー達が騒ぐシーンに登場ですから多少の雑音はあるでしょう。
しかし、あまりにもひどい!
小さな舞台ではありましたけれど、日本人のエスカミーリョで納得いく声を聴いたのは、
昨年春、東京藝術大学を大任された勝部太さん(1949年蠍座生まれ)のエスカミーリョだけだったかもしれません。
ホセ以上にエスカミーリョは声量が必要なような気がしますし、
男の色気を出さなくてはならない役だと思いますね。
男の色気、やっぱりセクシーな星座である蠍座が一番かしら?
あー、ジプシーの騒ぎの中から聞こえてくる「闘牛士の歌」
舞台を包み込むような迫力あるエスカミーリョはどこにいるのでしょう?